昔のコーディネーター
私は30年前、1994年ごろにベビーシッターサービスのコーディネーターをしていました。
30年前の事務所には、ワープロと固定電話、FAXがありましたが、パソコンはありません。
そうです。WINDOWS1.0の出現前の時代で、全て、「紙」と「電話」で連絡がされていたのです。
当時のベビーシッターは50人弱。ちょうど顔と名前が覚えられる人数です。もちろん、全員面接、研修などを通じて顔見知り。
まさにアナログの時代でした。
1 紙ベースからシステムによる情報管理へ
お客様からお問い合わせの電話があります。入会に必要な書類一式を郵送すると、返信封筒でお客様自筆の契約書、入会申込書、基本事項やご要望を書いたカードが送られてきます。
ベビーシッターには紙の予定表を送り、できる〇 応相談△ できない× 〇時~ などのスケジュールを手書きで書いて送ってもらっていました。
昔は、スケジュール表もオーダーシートもすべて手書き。
手書きの良さは「記憶に残る」ということでした。文字には個性が出ます。
「几帳面な字のお客様」「かわいい字を書くお客様」 文字とお客様の声が重なって「〇〇様 △ちゃん」の具体的なイメージができます。
「丸文字を書く子どもに優しいベビーシッター」「最寄り駅は×線△〇駅 幼稚園教諭資格あり フル稼働ができる」などというベビーシッターの情報が、顔写真つきの1つのシートからイメージとして定着します。
気がかりな出来事があった時は、忘れないように赤い字で記入します。
こうして手書きの文字で綴られた一つひとつの情報が、まるで生きている人と関わるように語りかけてくれました。
今は、独自のシステムのマイページを活用しているので、お客様に基本情報やオーダー日時、ベビーシッターに基本情報やスケジュールを入力してもらうことができます。
システムを通じてオーダーに対応できるベビーシッターを検索することで、迅速に手配を行い、正確に情報を伝達することができるようになりました。
さらに、システムを通じてお客様のベビーシッターに対するご要望を伝えていただくこともできますし、ベビーシッターからお客様やお子様に関する情報を会社に伝えてもらうこともできます。
気がかりなことがあればシステムに入力します。
システムの導入により、正確に個々の情報の伝達、共有ができるようになったのです。
2 住所の伝え方
昔、ご自宅の住所は手書きで地図を書いていただきました。できるだけ目印を具体的に書いていただくようにしたのですが、中にはこのままでは到底行けそうもない、ということや、地図の通りに行ってもたどりつけない、いうこともありました。
そこで、お電話で、「駅の●口を出て駅を背にして右に●分ほど歩き、●商店のある角を左に曲がり、●本目の角を右に曲がって、●軒目。赤い屋根の戸建てで表札が出ています。駅から15分ほどです。」
と言うような情報をお聞きしてメモを取り、ベビーシッターに伝えたものです。
FAXがまだ普及しておらず、プリントアウトした地図を送ろうとしても「FAXのような機械はとても使えないので」というようなベビーシッターもいた頃の話です。
時間厳守、の必要な仕事。急に行けなくなったベビーシッターの代わりに、現場に走ったこともありますが、方向音痴の私は、公衆電話のない住宅地で途方に暮れたこともありました。その後まだ十分に普及していなかった携帯電話を求めましたが。
今は、ベビーシッターがスマホで住所を検索できるようになりました。
分かりづらい場所や入室方法などはお客様に備考欄に入力していただくこともできます。
自宅から目的地、到着時間を検索すれば、スマホが道案内をしてくれます。
到着時間に合わせた出発の時間、条件に応じた交通経路、駅からの道案内もしてくれます。
万一電車が遅延した場合の迂回方法も知らせてくれます。
30年前、路線地図を壁に貼ったり、東京都の地図を見たりしながらベビーシッターに乗換案内、道案内をしていたことをふと思い出します。
スマホのおかげでコーディネーターの負担は軽くなりました。
3 変わらないのは人と人をつなぐ仕事だということ
20年前の日記を見てみました。
「ある程度の絞り込みまでは、コンピューターでできるが、最終判断はコーディネーターの頭の中にあるコンピューターが判断を下す。」
地域、時間、お子様の年齢、ベビーシッターに求めるもの、はお客様によって様々です。
今でも、それぞれのお客様のニーズに添ったベビーシッター選びの最終判断は、コーディネーターの腕の見せ所となります。
「当日のご依頼がある場合もある。予定が空いているはずのベビーシッターに片っ端から電話をかける。二十数人目で『いいですよ。行きましょう』と言う声を聞けたとき、ベビーシッターが神様か天使に思える。」
今でも、コーディネーターは同じ悩みを抱えています。
ベビーシッターを必要とするお客様の役に立ちたい、という思いを抱きながらも、慢性的なベビーシッター不足に悩んでいます。
何よりもうれしいのは、お客様やお子様に喜んでいただけることです。
「ありがとうございます。」と言うお客様の声を聞いたとき、その後ろにいるお子さまの笑顔を想像しながら、コーディネーターは幸せな気分になれるのです。
お子様をベビーシッターに預けたいお客様とお子様、子ども好きなベビーシッターをつなぐ仕事。
この役割は昔も今も変わりません。
(元コーディネーター Y.N)
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