「オランウータンの赤ちゃんと、わが子を取り替えたい!!」と、思ったこともあるという「ママのワンオペ孤育て」の筆者久世濃子さん。久世さんのエッセイを読むと、「わかるわかる、そんな気持ち!」と共感したくなります。(広報担当 Y.N)
筆者久世濃子さんのエッセイから
オランウータンの赤ちゃんと取り替えたい!
オランウータンの赤ちゃんは本当にかわいいです! 大きな目、頼りない細い手足とぷっくりしたお腹、見ているだけで癒されます。・・・・(理由もわからず)泣き叫ぶわが子を目の前にすると、黙ってお母さんのわき腹にしっかりと抱きついているオランウータンの赤ちゃんの姿が目に浮かび、「あぁ取り替えたい!」と思ったことは数知れません。同時に、「オランウータンのお母さんだって、こんな泣き叫んでしがみつくことすらできない赤ちゃんを渡されたら、困るだろうな。放り出すに違いない!」とも思いました。
動物の親の子育てを見習う?
世の中には、熱心に子育てしているように見える動物の親たちを見て、「イマドキの若い親にも見習ってほしい」「私も見習いたい」と軽々しく言う人がいますが、ちょっと待った! 動物の世界では、親の子育ては報われるし、報われる範囲でしか子育てしないのです。オランウータンの母親が手厚く子どもを育てるのは、その子がきちんと成長して子孫を残せる可能性が高く、子の側の努力(協力?)があってこそ成り立つものだということを、自分が育児する立場になって実感しました。
わが子のヒトらしいかわいさに驚きと喜びを!
そんな私が、わが子にオランウータンとは違う、ヒトらしいかわいさがある!と気がついたのは、発達心理学で「九か月革命」と言われる時期です。この頃、わが子が私に向かってニッコリとほほえみ、指差しをして、自分が見たものを共有しようとするようになりました。どんなに観察していても、オランウータンたちが、私と何かを共有しよう、共感しよう、というはたらきかけをしてくれることはほとんどありません。「この子はこんなに小さくて何もできないけど、それでも共感できる、共感を求める存在なんだ!」と実感した時の驚きと喜びは忘れられません。
「正解は一つじゃない 子育てする動物たち」東京大学出版会
「ママのワンオペ孤育て」久世濃子 国立科学博物館人類研究部日本学術振興会特別研究会員
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