ママのワンオペ孤育て、と言っても、これはオランウータンの話。「正解は一つじゃない 子育てする動物たち」東京大学出版会には様々な動物のあっと驚くような子育ての様子が述べられています。
そこで、今回は、本の一部を引用させていただきながら、オランウータンの子育てをご紹介します。オランウータンは東南アジアの熱帯雨林に生息する霊長類の一種です。(広報担当 Y.N)
少子化社会の大先輩
オランウータンは出産間隔が7・6年。生涯に産む子どもの数は4~6頭。ほかの動物に比べてかなり「少子化」社会だと言えます。こんな少ない数の子どもしか生まなくてもオランウータンが今まで存続できた理由、それは「死亡率が低いから」だそうです。そのわけは、次の通りです。
〇捕食される危険性が少ないこと。
オランウータンの身長は雄が130㎝、メスが110㎝くらいで、体重は人間とあまり変わりません。比較的大きな体でほとんど樹上で生活をしているので、捕食者に襲われることがないそうです。
〇感染症のリスクが少ない。
樹上は、地上に比べて微生物が少なく、感染症にかかるリスクが少ないとされています。
類いまれなる母性のたまもの?
オランウータンの母親は「移(樹上移動) 食 住(夜のベッドづくり)」のすべてにおいて、長い期間にわたって手厚く子どもをケアします。群れの仲間(=父親、ママ友や姉妹、祖母など)の助けも借りず、日々、わが子だけと向き合う生活です。しかし、それを可能にしているのは、「母親の忍耐力」や「類いまれなる母性のたまもの」なのでしょうか?
実は「類まれなる理想の赤ちゃん」?
オランウータンの赤ちゃんは、泣いて母親に要求を訴えることはほとんどありません。オランウータンの乳首は両脇の近くにあるので、わき腹に抱き着いている赤ちゃんはいつでも好きなだけ母乳を飲むことができます。またひとりで木登りできるようになれば、母親が隣の木に移動しそうだな、と察知してすばやく母親のもとに戻ってきます。時々「おいて行かないで!」とキューキュー泣きながら駆け寄ってくることはありますが、常に母親を気づかい、わがままを言ったり駄々をこねたりすることがほとんどないオランウータンの赤ちゃんは、母親にとっても「理想の赤ちゃん」かもしれません。
出典:「正解は一つじゃない 子育てする動物たち」東京大学出版会
「ママのワンオペ孤育て」久世濃子 国立科学博物館人類研究部日本学術振興会特別研究会員
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