みどりごと散歩をすれば 人が木が光がはなしかけてくるなり 【俵万智さん「たんぽぽの日々」から】

05-25-2022

みどりご(嬰児)がいればこそ、ベビーカーで散歩をする日々が生まれます。俵万智さんの「たんぽぽの日々」から、みどりごと体験した豊かな「散歩の時間」を詠んだ歌とエッセイをお届けします。
(広報担当 Y.N)

みどりごと散歩をすれば 人が木が光がはなしかけてくるなり

子どもが生まれるまで、そもそも散歩というものをする習慣がなかった。二十代、三十代のころは仕事が忙しく、「さしたる目的もなく、のんびり近所を歩く」などという余裕は皆無だった。年に数回は海外(それも、インドとかヨーロッパとかアメリカとか、かなり遠くのほう)に出かけていたから、行動範囲はめっぽう広かったのだけれど。

見知らぬ人と話すことが自然に

その生活が一変した。子どもを抱えての行動範囲は、まことにささやかなものだ。遠くへはいけないが、その分散歩の時間がずいぶん増えた。
犬を連れた人や、ベビーカーを押している人はもちろん、同じように散歩を楽しんでいる人たちからも、ずいぶん話しかけられた。
「何歳ぐらいかしら?」「ようやく暖かくなってきましたね」「この子、犬好きだわ~」
不思議なもので、子どもがそこにいるだけで、見知らぬ人と話すことが、ごく自然なこととなる。

散歩の時間ってなんて豊かなんだろう!

近所の川に時おりクラゲが浮くことや、土手にバッタがいることや、「セミの木」と呼ばれる木があることも、知るようになった。

春先の桜のつぼみ、新緑のころの若葉の勢い。それらは、まさに目に見えるかたちで、一日一日変化している。
これは、毎日歩いているからこそ、実感できることだ。散歩の時間ってなんて豊かなんだろうと思った。

子どもが教えてくれた「旅」

子どもにとっては、何もかもが生まれて初めて目にするものだから、全てが驚きの連続なのは当然だ。けれど同じように、それを受け止めている自分がいた。「遠くへ行くことばかりが、旅じゃないな」。子どもが教えてくれた、このさりげなくて、深くて、嬉しい気持ちを、大切にしていきたい、と思う。

出典 俵万智の子育て歌集「たんぽぽの日々」 小学館

★「人が木が光がはなしかけてくる」
みどりごと散歩すると、世界がキラキラと輝きます。みどりごが「ア!」と指さした瞬間、大人にも新しい世界が見えます。みどりごが発する光に、人も木もはなしかけてきます。
そんなときがあった・・・と思い出しながら歩いていると、今でも不思議と人が木が光がはなしかけてくることがあります。(広報担当 Y.N)

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