子どもがことばを話し始める時
〇「ワラ」ってのどが渇いたってこと?
「ねえ、『ワラ』って のど渇いたっていうことでしょう?」
アメリカに引っ越しをして、現地の幼稚園に通い始めて6ヶ月ほど。ようやく泣かずに通園できるようになった矢先、5歳の娘が突然私に聞いてきました。
「???んんん、『ワラ』を食べたらのど渇くかな…」とあいまいな返事をすると、
「違うよ、英語のワラだよ!」と娘。そこでやっと「ワラ」は ”water” のことと気がつきました。
「みんな、『アイ ワラ』って言って水飲みに行くんだよ。」と得意げに説明してくれたのです。
〇子どもがことばを話し始める時
日本の保育園での「先生、のど乾いた!」の状況がアメリカでは “I want water!” だったのでしょう。辞書を引いてもどこにも出てこない翻訳です。
分からないことばの洪水の中から、娘はようやく少しずつ英語のことばを拾って、状況から自分なりに意味を対応させ始めたのです。先生からも娘がしゃべり始めたと報告があったばかりでした。
「そうだ、こうやって子どもはことばと出会い、いろんな場面でいろいろな組み合わせでことばを浴びるうちにことばの概念を練り上げ、理解していくのだ!
そしてそれがある程度蓄積してきて初めてことばをしゃべり始めるのだ!」
ということを、改めて認識しました。
そういえばヘレン・ケラーが初めて学んだことばも “water” だったっけ。
〇子どもたちが自分でことばを拾うこと
私はあえて、「“water” は『水』のことだよ」とは言わずに、
「そうなんだ、のどが乾いた時は “I want water” っていうんだ。」と答えました。
小さな子どもたちに英語を教えるとき、私はできるだけ自然な英語の中から子どもたちが自分なりにことばを拾い、
理解していく過程を大切にするように心がけています。
柔らかい脳を持つ子どもたちだからこそできる学習方法だと思うからだし、ぐちゃぐちゃとしたことばのパズルがすっきりとはまって「わかった!」という時の子どもたちの目の輝きを見るのが何よりの楽しみだからです。
あれから十数年、バイリンガルに育った娘は今、英語の試験の和文英訳で意訳をしすぎて減点をされては「こんな変な言い回しはしない」と憤慨しています。
(英語講師 R.I)
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